マンガ好きはもちろん、マンガを読まない人でもその名前は知っている手塚治虫。
とはいえ私の周りではほとんどの人が作品をちゃんと読んだことはないか、せいぜい「ブラックジャック」だけは読んだ経験があるというくらい。

これはすごくもったいない話です!
実は漫画の神様と呼ばれる手塚治虫は、これから先どんな漫画家も追いつけないくらいたくさんの漫画を描いているんです。
講談社刊の手塚治虫全集はなんと全400巻!
長期連載作品の代表である「こちら葛飾区亀有公園前派出所」は40年で200巻です。
連載1本で過酷とも言われる週刊誌の連載を休載無しで、40年間続けても200巻にしかならないんですよ。
手塚治虫の描いた漫画400冊という数字がどれくらい凄いのかわかるかと思います。
それだけたくさんの作品があるのだから、せめて素晴らしい名作だけでも読んでくれる人が増えたら良いと思いこの記事を作成しました。
「手塚治虫は作品が多すぎてどれを読めばいいかわからない」というひとのために、おすすめの漫画をランキング形式で発表していくので、参考にしてみてください。
10位 ジャングル大帝
初期の頃の名作として有名なジャングル大帝。白いライオンのレオを主人公として、自然の大切さや、動物と人間の共存をテーマに描いています。
ディズニーアニメの「ライオンキング」は手塚治虫の「ジャングル大帝」をパクっているというのも話題になりました。確かに言い逃れできないくらい似ていると思います(笑)
ただ手塚治虫自身ディズニーアニメが大好きで、大きな影響を受けているので、それほど大きな問題はないような気もします。
9位 鉄腕アトム
手塚治虫の作品は?と聞かれると最初に思いつく人も多いであろう代表作。
読んだことはなくてもキャラクターやストーリーはなんとなく知っている人も多いと思います。
一話完結に近い形なので「地上最大のロボット」「青騎士」など人気のあるエピソードを読むだけでも、十分に楽しめます。
読み終わったあとは「アトム今昔物語」も読むのがオススメ。こちらはアトムの後日談として大人向けに手塚治虫が連載した作品です。
8位 人間ども集まれ
手塚治虫がかなり絵のタッチを変えて挑戦した意欲作。
手塚治虫は「MW」や「リボンの騎士」など性転換、同性愛、男装など性をテーマにした作品を数多く発表していますが、「人間ども集まれ」もそのひとつ。
テーマは重めですが、コメディタッチで描かれているのですごく読みやすいです。
最初は絵柄が好きになれませんでしたが、ストーリーは「火の鳥 生命編」のような面白さがあります。
タイトルの付け方は「アドルフに告ぐ」と似ていますよね。
読む場合は実業之日本社の完全版がオススメです。
7位 陽だまりの樹
2000年台に入ってからテレビアニメ化、テレビドラマ化をしているので、そちらで知っている人も多いかもしれません。
幕末から明治維新にかけて、武士の伊武谷万二郎と蘭方医の手塚良庵を主人公に描いた歴史長編。
NHKの大河ドラマにできそうなくらい、たくさんの登場人物が緻密にストーリーに絡んできます。
こういう史実にフィクションを混ぜるストーリーは手塚治虫の真骨頂ですよね。
最終話の最後の1コマまで目を離せない名作です。
6位 ノーマン
それほど人気が高いわけではないのですが、個人的には名作だと思っているのがノーマン。
近年の少年漫画でも「僕のヒーローアカデミア」などの能力バトルが人気ですが、手塚作品で一番近くておもしろいのは「ノーマン」じゃないかなと思います。
石ノ森章太郎の「サイボーグ009」にもかなり似ていますけど・・・。
月に住んでいる人類を侵略者である宇宙人から守る、超能力者たちの物語で、結末に向かうに連れてどんどん盛り上がっていきます。
子供から大人まで楽しめるSF作品です。
5位 アドルフに告ぐ
第二次世界大戦時の日本とドイツを舞台にして、アドルフというファーストネームの3人の人生を描く群像劇。
「陽だまりの樹」と同様に戦争、ベルリンオリンピック、ゾルゲ事件、イスラエルの建国など、実際の歴史に基づいた上で、手塚治虫流のフィクションが加わってストーリーが構成されています。
一点残念なのは素晴らしいラストなのに、最後が駆け足になってしまっていることです。
途中の休載や単行本の総ページ数の制約などによって予定していたお話をカットしたらしいのですが、完全な形で見たかった・・・。
まあ「どろろ」とかも中途半端に終ってる感じがするし、「ネオ・ファウスト」「グリンゴ」「ルードウィヒ・B」は連載中に未完で亡くってしまっているし、手塚作品はそういうのが多すぎるんですけどね。
4位 ブッダ
お釈迦様の伝記を手塚流に描いた作品。
漫画に描くのはすごく難しそうなテーマですが、私が子供の頃に読んでも面白く感じるくらい見事に描ききっています。
主人公であるゴータマ・シッダルタが誕生する前に、脇役を描くためのストーリーが単行本1冊以上あるくらい壮大なスケールで展開させています。
ちなみにがっつり仏教のお勉強をしたい人にはまったく向きませんので、ご注意ください。
3位 七色いんこ
1位にしようか悩んだ名作です。ブラックジャックの二番煎じと評価されてしまうこともある作品ですが、個人的には同じくらい大好き。
代役専門の天才的な舞台俳優の七色いんこと彼を追う女刑事・千里万里子の物語。
ブラックジャックよりも好きな点は一話完結でありながらも、ストーリーが少しずつ進んでいき、クライマックスで伏線回収するところ。
最初から計算して描いたのか、連載中に思いついて描いたのかわかりませんが、これが見事にハマっているんですよね。
ブラックジャックは少し怖い話や重い話も多いですが、七色いんこはギャグ的な話が多いので、力を抜いて楽しめる作品です。
2位 火の鳥
不定期で描き続けた手塚治虫のライフワークと言われる作品。
火の鳥は全部で12編あり、基本的には生き血を飲むと永遠の命が手に入る、火の鳥をめぐった物語です。
それぞれ短編として読んでも楽しめますが、この12編は同じ世界の違う時代が舞台になっています。
この12編を手塚治虫先生が描かれた順番に並べるとこんな感じ。
黎明編
未来編
ヤマト編
宇宙編
鳳凰編
復活編
羽衣編
望郷編
乱世編
生命編
異形編
太陽編
黎明編は弥生時代、未来編は西暦3404年、ヤマト編は古墳時代、宇宙編は西暦2577年・・・と各編の舞台となる年代は過去と未来を順番に繰り返しながら現代に近づいていきます。
つまりこの作品を通して描かれている世界の年代順に並べると、未来編が一番遠い未来の世界が描かれており、これが最終巻とも言えるわけです。そしてこの未来編の最後は黎明編に繋がるという結末になっています。
この壮大なスケールの構成だけでも凄いのですが、各編がそれぞれ違った面白さがあるのも見事です。
個人的に好きなのは黎明編、未来編、鳳凰編、異形編、太陽編あたりでしょうか。まあ全部面白いんですけど。
出版順に読むのも良し、年代順に読むのも良し、気になった編から読むのも良し、気になった方はぜひ手にとって見てください。
1位 ブラックジャック
オススメの作品となると、やっぱり1位は「ブラックジャック」になってしまいます。
医療モノなので身近なテーマですし、一話完結なので読みやすいですし。
ブラックジャックを読んでいて凄いと思うのは、一話一話が単体で映画を作れるんじゃないかと思えるほど、濃密なストーリーであることです。
子供の頃はただ楽しく読んでいましたが、大人になってからは20ページ弱でよくあんなにストーリーを描けるものだと、感心しながら読んでいます。
好きなエピソードはたくさんありますが「六等星」「刻印」「おばあちゃん」「死への一時間」「えらばれたマスク」など。
ドクター・キリコが出てくる話にはハズレがない気がします。
ただ中には子供の頃に読んでトラウマになってしまうようなゾッとするエピソードもあるので、注意しましょう。
手塚治虫のおすすめ作品まとめ
今回作成したランキングは抜けなどがある気がするので、思い出したときに追加や変更をすると思います。読み返すとまた順位が上がったりもするしね。
以上、「手塚治虫の漫画のおすすめランキング【マンガの神様の神作品】」でした。
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