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映画『マスカレード・ホテル』の感想「ミステリーとしてはつまらない。ドラマとしてはおもしろい」

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マスカレード・ホテル

映画「マスカレード・ホテル」を観に行ってきましたので、レビューを書いていきます!

ネタバレなしで言える感想としては「ミステリーとしてはつまらないけど、全体のストーリーはまとまっていてそこそこおもしろい」です。

原作の小説は未読ですが東野圭吾さんはミステリー作品を多く書いていますよね。

映画の公式サイトでも「全員を疑え。犯人はこの中にいる」とか書いてあって、ズラッと豪華キャストが並んでいるので、本格ミステリーかなと勝手に期待していたんです。

ところが映画を観てみるとミステリーとしてはまったくおもしろくない。どちらかというと人間ドラマや豪華な俳優陣による演技を楽しむ作品かなって印象。

ここから先はネタバレありで感想を書いていきますので、鑑賞前の方はご注意下さい。

私は悪いところや気になったところばかり印象に残る、性格の悪い人間なので、辛口な批評が少し多くなりがちです。個人ブログが勝手に綴る感想なので、大目に見てください。

映画「マスカレード・ホテル」の感想

※映画を観た人が他人の感想が気になって読みに来ているという前提で書いていますので、あらすじの紹介はしておりません。思い出したい場合は公式サイトやウィキペディアなどでご確認下さいませ。

前半は結構タルい

ミステリーを期待して観に行ってしまったので、全然事件の詳しい情報が語られないまま、様々な客・・・じゃなくてお客様相手にホテルの業務をこなしている様子を見るのはちょっとだるかったかな。

もちろん髙嶋政宏さんのバスローブ紛失事件を通して、新田(木村拓哉)の観察力の鋭さを見せたり、笹野高史さんのチェックアウトで並ぶのイヤだ事件を通して山岸(長澤まさみ)のホテルマンとしての対応を見せたり、それぞれに意味はあるんでしょうけど。

松たか子さんと生瀬勝久さんと菜々緒さんのエピソードは特に長かったし、さすがにもっと簡単で良かったかなって思う。

木村拓哉さんと長澤まさみさんのコンビは良き

とはいえそのダルい時間の中で、新田と山岸の信頼関係が生まれていく様子は上手に描かれていたと思います。

ホテルの仕事をナメているような刑事の新田は、山岸のプロホテルマンとしての対応を見てどんどんホテルマンらしくなっていきますし、山岸も新田に協力的になっていきます。

その二人のキャラクターを木村拓哉さんと長澤まさみさんという個性の強い役者さんが見事に演じていました。

色々な評価があると思いますが、私は木村さんの演技は好きです。今回もかっこよかったですよ。

まあテレビドラマっぽい感じのバディ系ストーリーではありますが、フジテレビ制作みたいですし、そのへんは仕方ないですよね。

最初からこの人間ドラマを楽しむつもりで観ていればもっと楽しめたのかなって感じ。

連続殺人事件の情報が少ない

ミステリー部分がおもしろくないと感じた原因の一つが情報の少なさだと思います。

映画を観終わった後の知らない人たちの会話で「松岡は松たか子が殺したの?」という声がたまたま聞こえました。

そんなことは映画を観ていれば普通にわかることですが、やはり事件関連の情報があんまり整理されていなくて、事件とはまったく関係ないホテルの宿泊客のエピソードに時間をかけすぎだったんじゃないかな。

そこを入れておけば一連の殺人事件が同一犯じゃなかったときにもうちょっと「おっ!」ってなったりしたと思いますし。

余談ですがこのマスカレードホテルの設定は、ちょっとアガサクリスティの「ABC殺人事件」を感じさせる設定ですよね。

演出が丁寧でわかりやすい

ペーパーウェイト(文鎮)がアイテムとして何度もカメラに映り、山岸がそのマークの向きを直す描写。

一年前に山岸が長倉麻貴(松たか子)を追い返した時の回想シーンで、綺麗に長倉の顔が映らないようになっている。

などなど、「あ、この後の伏線になってるのかな」って視聴者にわかりやすい演出が多かったと思います。

悪くいうとわかりやすすぎたかもしれませんね。詳しい事情までは予想はできなくても、「一年前に追い返された人間が真犯人で山岸を殺そうとするのかな」程度は予想できてしまう感じでした。

ちょっと「ん?」ってなったポイント

細かいことが気になってしまう性格なので、覚えている範囲で疑問に思ったところを挙げていきます。


手嶋のアリバイ工作がしょぼすぎる問題。まあ本筋ではないので気にするところではないのかもしれませんが・・・。

電話番号を変更して違うところにかけさせたっていう話ですが、「携帯をいじって電話番号を変える隙がなかったらどうする?」「そもそも元カレに電話しなよって言ったところで確実にかけさせられるのか?」「できたとしても犯行時刻に合わせて電話してくれなければいけない」「終わったらまた携帯をいじって電話番号を戻す必要がある」「そもそも通話履歴とか発信履歴で警察にはバレるんじゃないの?」とかいう考えが私の頭の中を駆け巡っていましたね。


菜々緒さんに山岸が男の部屋番号をあっさり教えた問題。「教えるんかい!」ってめっちゃ心の中でツッコんでました。自分で「いかなることがあっても教えてはいけない」って言ってなかったっけ?


勝地涼さんの扱いが適当すぎる問題。なんか謎に犯行予告に使われていた手紙を持っていましたけど、彼はいったいどういう経緯で長倉に協力することになったのでしょう?面識のない人間に「女装してこの手紙を花嫁に渡して下さい」って頼まれて・・・やるか、普通?


犯人の長倉麻貴の思考回路が謎、問題。なんか頭が良い設定みたいですけど、そもそもなんで次の犯行場所が特定できる暗号を残す必要があるのかよくわからなかったです。

同一犯による犯行だと思わせたいだけなら別に犯行場所がわかる暗号じゃなくても良いと思うんだけど・・・。紙に「X」と書いて現場に残すだけとかでも十分じゃないかな。

マスカレードホテルに警察が来てなければわざわざ前田敦子さんのストーカーを演出したり、勝地涼さんを雇ったりする必要もないし、格段に山岸を殺しやすくなる気がするんだが。

それに第二の事件が起こった時点で警察が暗号の意味に気づいて、第三の殺人の現場に張り込みされてたらどうするんだろう?第三の殺人事件の犯人はよくこんな状況で殺人を犯すことができるよね。


同一犯による犯行じゃないことが判明してからのホテル・コルテシア東京側が公表する問題。これちょっと私が話についていけなかっただけかもしれませんが、よくわかんなかったですね。

なんで同一犯による犯行じゃないからっていう理由で山岸が急にマスコミに発表する感じになったのか、理解が追いつきませんでした。別にホテルのお客様に危険が及ぶ可能性があるのは、潜入捜査の時点で同じような気がするんだけど・・・。

友情出演の「明石家さんま」さん

2018年の年始に放送された「さんタク」という特別番組を観ていたので、「マスカレード・ホテル」にさんまさんが登場するのは知っていました。

番組内ではさんまさんが木村拓哉さんの「マスカレード・ホテル」撮影現場に来て、ちょっとしたエキストラで出演する様子や、助演の長澤まさみさんとのトークなどが放送されていました。

なので映画の間ずっと「さんまさん映るかな」とちょっと探していました(笑)

フロントの近くで帽子をかぶってチェックインかチェックアウトかしようとしてる人だったはずなので、注意して観ていたのに全然発見できず・・・。

「見逃したかな~」と思っていたら最後のエンディングで「友情出演:明石家さんま」の文字が出ているタイミングで、後ろに(多分)チラッと映っていましたよ♪

「最後かよ!」と心の中でツッコみましたけど。

最後はしっかり伏線回収して気持ちよくエンド

いろいろ文句のようなものも書いていますが、最終的にはよくまとまったストーリーでおもしろかったです!twitterなどの感想を見ても高評価が多いですし、エンタメ映画として万人が十分に楽しめる内容だと思います。

映画「マスカレード・ホテル」のスタッフ・キャスト

  • 原作:東野圭吾『マスカレード・ホテル』
  • 監督:鈴木雅之
  • 脚本:岡田道尚
  • 音楽:佐藤直紀
  • 新田浩介:木村拓哉
  • 山岸尚美:長澤まさみ
  • 能勢:小日向文世
  • 本宮:梶原善
  • 関根:泉澤祐希
  • 久我:東根作寿英
  • 川本:石川恋
  • 田倉:鶴見辰吾
  • 尾崎:篠井英介
  • 藤木:石橋凌
  • 稲垣:渡部篤郎
  • 濱田岳
  • 前田敦子
  • 笹野高史
  • 髙嶋政宏
  • 菜々緒
  • 生瀬勝久
  • 宇梶剛士
  • 橋本マナミ
  • 田口浩正
  • 勝地涼
  • 長倉麻貴【片桐瑶子】:松たか子
※本ページの情報は2019年4月時点のものです。最新の配信状況は U-NEXT サイトにてご確認ください。

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